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石岡瑛子展を見る

ちょうど緊急事態宣言の真っ只中に開催されていた、"石岡瑛子展"。

行きたいけど不要不急ではない、、、と思いつつ、2/14までだとしたら、私には急を要した。

そんな思いの人が多かったのだろう、

会期終了間近はオンラインチケットさえ取れない状況に。

展覧会を見終わって思ったことは、もっと早く行っていれば良かった、ということ。

内容的にも、混雑的にも。

デザイナーの末端の末端の人間ですが、芸大出身ではないし、

すべて独学で習得してきたため、歴史というものが欠落していると思っている。

だから過去のデザイナーや画家の展覧会は、

その時代とデザインを知ることで、その背景と表現方法などがとても勉強になる。

石岡瑛子展は、その最たるもので、私の尊敬する人たちが全員"良かった"と言っていたので、

楽しみにしていた。


おそらく誰もが知っている石岡瑛子さんの仕事は、

前田美波里さんが白いターバンとビキニで浜辺にいる

資生堂のサンオイルのポスターではないだろうか。


このポスターはいつ見ても、古いな、と思わせない圧倒的なパワーがある。

確かに印刷の色やメイクなど、2021年のそれとは違うけれど、

ビジュアル力は、今、街にあふれる看板たちの中でも引け目を取らないと思う。


そこから始まる彼女の仕事は、万博のポスター、渋谷パルコのポスター、舞台美術、映画美術、映像作品、オリンピック衣装など、あらゆるエンターテイメントに広がっていく。


そのどれもが圧倒的で、すごい。

"誰も見たことのないものを作りたい"という彼女の魂。

この展覧会の副題にもなっている、"血が、汗が、涙がデザインできるか"という、

その言葉に尽きる気がした。


そして、舞台美術をするようになってからは、

""見えないところで、何かが起こっている"それが、幻想の源"という考え方。

少しそれるかもしれないけど、

今は、ショッピングビルには似たような服ばかりが並び、

SNSでPRされるのはこれもまたどこかで見たものばかり。

音楽もなにか似たような、何かの方程式に則っているようなものが多い気がする。

これは個人の考えですし、すべてがそうではないと思います。


仕事は必ずクライアントの意向、そして納期と予算があって、どうしても妥協点を見つけなければいけない時がある。そんな縛られた中でも、人生の最後まで、

"誰も見たことのないものを作りたい"という丁寧な心で、仕事をしたいと思う。


血を、汗を、涙を、デザインできるようになりたい。



東京都現代美術館での展覧会に行けなかったけど気になるという方は、

ぜひこちらのインタビューだけでも、読んでみてください。

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